中秋の名月
2020年、今年の中秋の名月は、10月1日だそうです。
旧暦では7月~9月が秋とされており、真ん中の8月を「仲秋」、
(7月は初秋、9月は晩秋。)
更にその真ん中8月15日を「中秋」と呼ぶそうです。
(現在の暦では、9月中旬~10月上旬)
十五夜(満月)は毎月めぐってくるものですが、中でも中秋の十五夜は、
空気が澄み、位置も高く、月が最も美しく見える日。
そのことから「名月」と呼ばれ、お月見の風習が生まれたのだそうです。
ススキを飾り、団子をお供えして、美しい月を眺める・・・とても素敵な行事。
ですが、残念ながら我が家ではそのような習慣がありません。
強いて言うなら、ファーストフード店で販売される『月見バーガー』を食べるのが、
我が家流のお月見ですかね・・・「秋が来たな。」と思いながら頬張っています。
たまには、お月見でもして風情を感じてみたいものですね。
* * *
今回のぶら旅は・・・
中秋の名月が近いということで、月にちなんだ神社に行ってきました。
「月に住んでいる!?」
「十五夜お月様見て跳ねる~♪」
そんな動物が暮らす、少し珍しい神社です。
調神社
■ 社号標
「調=つき」と読み、地元では「つきのみやさま」の愛称で親しまれています。
“月にちなんだ神社”とは、そのまんま「調(つき)」という名の神社でした。
しかし、ただ読み方が同じだけではありません。
月に住むと動物と言えば、、、『うさぎ』
その社名から月待信仰があり、
月に住むという伝承がある兎が神使として祀られています。
■ 狛兎
さっそくお出迎えしてくれたのは、狛犬ならぬ狛兎。
■ 手水舎
手水舎では、ボス級の大うさぎが、お清めのお手伝いをしてくれます。
正面うさぎ。
横からうさぎ。
後からうさぎ。
でっぷりとした体形と、尻尾がとってもキュートです。
■ 拝殿
天照大御神(あまてらすおおみかみ)
豊宇気姫命(とようけひめのみこと)
素戔嗚尊(すさのおのみこと)
【御由緒】
当社は天照大御神、豊宇気姫命、素戔嗚尊の三柱を祭神とする。
延喜式内の古社にして古より朝廷及び武門の崇敬篤く、調宮縁起によれば第九代開化天皇乙酉三月所祭奉幣の社として創建され、第十代崇神天皇の勅命により神宮斎主倭姫命が参向此の清らかな地を選び神宮に献る調物を納める御倉を建てられ、武総野の初穂米調集納蒼運搬所と定められる。
倭姫命の御伝により御倉より調物斉清の為め当社に搬入する妨げとなる為、鳥居、門を取り拂はれたるこ事が起因となり現今に到る。
(出典:境内案内板)
由緒によるとこちらの神社は、
伊勢神宮への調物を納める倉庫的な役割があったようです。
調(つき)とは、昔の税や貢物を意味するとのこと。
月と音が同じことから、月待信仰が結びつけられたのですね。
調神社の七不思議
調神社には七不思議の伝説が残ります。
その伝説を追いながら、境内を散策したいと思います。
1.鳥居がない
正面入り口には鳥居がありません。
他にのいくつか出入口がありますが、そこにも鳥居はありません。
これは由緒にも書かれていますが、
境内へ伊勢神宮への調物を運び入れる時に妨げとなることが理由と言われています。
しかし、見つけてしまいました。
出入口の1カ所にだけ鳥居がありました。
なので、もしかするとその2社に対する鳥居なのかもしれません。
稲荷社(旧本殿)にも、2機の鳥居。
「鳥居がない」とか言いながら、意外とあるじゃないの・・・なんて。
ついでに境内社を紹介しようと思い、
伝説の粗探しをするような、ちょっと意地の悪い書き方をしてしまいました。。
今と昔では、神社の役目も境内の様子も変わっていると思います。
「鳥居がない」を単純に捉えると「あるじゃん!」とつっこみたくなりますが、
現在も正面入り口には鳥居がないわけですし、
この一言には神社の歴史が詰め込まれているということでしょう。
2.松の木がない
境内は多くの木々に囲まれ緑豊か。
見渡す限り、確かに松の木はなかったように思います。
素戔嗚尊が大宮へ出かけなかなか戻ってこないので、
姉神の月読命(つくよみのみこと)が「もう待つのは嫌じゃ」と言ったことが、
境内に松の木がない理由なのだとか、、、ちょっとかわいい。
現在も、お正月の門松には松を使用していないそうです。
3.御手洗池の魚は片目になる
御手洗池に魚を放すと片目になってしまうという、少し怖い伝説。
当時の御手洗池は消滅してしまっているそうで、
現在はひょうたんの形をした池があります。
そこで暮らす魚はどうなっているのでしょうか???
池を覗いてみましたが、魚が見当たりませんでした。。。
4.兎が神使である
調(つき)を月に見立て、兎を神使としてお祀りしています。
この写真は、先代の狛兎でしょうか?
境内にはたくさんの隠れうさぎがいるので、後ほどご紹介します。
5.日蓮上人駒つなぎのケヤキ
(え?写真がない・・・汗)
写真を撮ったつもりなのですが、見つかりません!!!!
日蓮が佐渡へ流される途中、難産の婦人のためにケヤキに馬を繋ぎ祈ったところ、
無事に男子を出産したことから、安産の守護神として信仰されているというケヤキ。
このケヤキは、神社の脇を通る道に石碑と共に立っています。
駒つなぎのケヤキがある反対側の道にも大きなケヤキがあります。
人の顔のように見えませんか?
こちらのケヤキも大迫力で見物です!
6.ハエがいない
7.蚊がいない
調神社の祭神が嫌うため、ハエや蚊はいないとのこと・・・ですが、
めちゃくちゃ蚊に食われました。
この環境ですからね、、、いて当たり前ですね。
うさぎ探し
先ほど、狛兎(先代含む)、手水鉢のうさぎをご紹介しましたが、
他にもまだまだたくさんのうさぎがいます。
うさぎ探しも、調神社の楽しみ方のひとつ。
私も境内を歩き回って、探してみました。
手水鉢には、丸まって眠る3羽のうさぎ。
拝殿のお飾りにもうさぎが刻まれています。
池には、ものすごい勢いで水を吐き出すうさぎ。
絵馬ももちろん、うさぎです。
囲いがされている稲荷社(旧本殿)ですが、中を覗いてみてください。
うさぎの彫刻が施されています。
神楽殿には、その年の干支の絵馬が飾られています。
今年は子年ですが、兎年にはうさぎがもう1羽増えますね。
・・・誰?
* * *
以上が、見つけたうさぎたちです。
探し出せなかったうさぎが、まだ潜んでいるかもしれませんね。
一般では立ち入り出来ない場所にもうさぎがあるといいます。
一体この神社には何羽のうさぎがいるのでしょうか???
御朱印
最後に御朱印をいただきました。
うさぎの印がかわいいです。
・・・あれ?
このうさぎ、尻尾が長すぎませんか???
お月見も近いので、お月見限定御朱印が出ていると予想したのですが、
特にそういったイベント的なことはないようです。
平成23年にも参拝していたので、そちらの御朱印も載せておきます。
デザインも変わらずですね。
上記のものには、御朱印はいただけません。
書置きも用意されていないので、
神社専用の御朱印帳、もしくは社務所で御朱印帳を購入する必要があります。
(オリジナル御朱印帳は、うさぎのデザインでかわいいですよ。)
あっ!番号札にもうさぎ発見!!
* * *
神事の他に子供たちも楽しめる、お月見イベントが開催されている模様。
今年は情報が一切見つけられなかったので、開催されていないかもしれません。
こんな時ですからね、、、。
今年の十五夜は10月1日です。
お月見参拝がてら、月の住民に会いに行ってみてはいかがでしょうか?
うさぎ好きさんにもおすすめの神社です。
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