【2019/05/12 ぶら旅コース】
伊奈氏屋敷跡 → 頭殿権現社 →(旧)丸山沼 → ぶい塚 → 建正寺 → 無線山・KDDIの森 → つくしんぼ【伊奈町の伝説】
1.足立ぬ
2.天狗のはやし
3.権現様の森の大蛇
4.龍巻絵書き
5.丸山沼の大蛇
6.ぶい塚の鉦
7.本村のお地蔵さん
8.大山の森
9.古寺の狸
伊奈町の伝説 8 『大山の森』
KDDI小室受信所は、昭和8年11月、大山の地に進出してきましたが、その昔、この付近一帯は昼でもなお薄暗い森になっていました。
森の奥には、ぼろぼろにこわれかけた避病院の建物がありました。また、その近くに古寺の跡があり、「董酒山門に入るを許さず」という、腐れかけた標柱と、朽ち果てて今にも倒れそうな鐘楼のみが、草むらの中に立っていました。そして、山門前にあったといわれている大きな松だけが葉を茂らせ、枝を鳴らしていたのです。
この一帯は、太陽が沈むと、野生動物達の天国ともなり、狸、狐、いたちなどが飛びまわる不気味な所でした。また、奥深い森の中には、赤と青といわれてた浮浪人の大男が住みついて、昼間でも、とても1人では歩けない、こわい所であったといわれていました。
(出典:伊奈町公式サイト)
これは『伝説』と言っていいのでしょうか?
『怖いおじさんが住んでいる森』の紹介でした。
自分なりにこの伝説を解釈してみたのですが、
この森は野生動物たちが天国に思うほど住み心地がいいようなので、
酷い人間たちによって元の棲家を奪われてしまったのかもしれません。
大男は人間から動物たちを守る番人だったのでは?
そう思いました。
無線山・KDDIの森
大山の森だった場所に来ました。
薄暗く物騒だった大山の森ですが、
現在は「無線山」と呼ばれ、人が集まる開けた森に変化していました。
ちなみに「無線山」は山ではありません。
伝説の動物たちはまたもや人間に追いやられてしまったのでしょうか???
かわいそうに・・・。
桜の名所としても有名で、桜まつりには大勢の花見客で賑わいます。
5月の写真なので青々としていますが、
この並木の写真から満開時の美しさをイメージできるかと思います。
先日、車で近くを通りかかりました。
写真は撮れませんでしたが、見事な桜のアーチができていました。
中は、広場になっているところもあれば、
森を歩ける散策路もあり、散歩するにはとても気持ちのいい場所です。
「もしかしたら、狸やいたちに会えるかしら?」
そんな期待をしてみたのですが、会えたのはカラスだけでした・・・残念。
あっ、タケノコ!
こんなに長いタケノコは初めて見ました。
こうやって竹になっていくんですね。
KDDI小室受信所跡地
以前、この地には国際短波通信の『KDDI小室受信所』がありました。
「無線山」と呼ばれる所以は、このことにあるようです。
昭和11年(1936年)のベルリンオリンピック。
日本選手の活躍を伝えるラジオ放送は、
ベルリンから無線回線を経由して、この小室受信所で受信されたものだそうです。
水泳女子200m平泳ぎを実況した、
「前畑ガンバレ!前畑ガンバレ!」は、名台詞になったとのこと。
前畑秀子選手は 見事、日本女性初の金メダリストになったそうです。
森の中を探してみると、鉄塔などの名残を見ることができます。
『KDDI』と刻まれた標柱もありました。
当然かもしれませんが、伝説にある古寺の跡らしきものは見当たりませんでした。
緑のトラスト運動
埼玉県には、『さいたま緑のトラスト協会』という組織があります。
県民から寄附を募り、それを資金に土地を取得。
トラスト保全地として、自然や歴史的環境を保全する運動を行っています。
県内にある全14の保全地で、無線山は13号地になります。
(さいたま緑のトラスト協会:公式サイト)
各保全地では、様々な鳥・虫・植物・・・が暮らしているそうです。
そのうち、狸や狐やいたちたちも戻ってくるといいですね。
お隣の乗馬クラブのお馬さんだったら見放題です。
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