【2019/05/12 ぶら旅コース】
伊奈氏屋敷跡 → 頭殿権現社 →（旧）丸山沼 → ぶい塚 → 建正寺 → 無線山・KDDIの森 → つくしんぼ【伊奈町の伝説】
1．足立ぬ
2．天狗のはやし
3．権現様の森の大蛇
4．龍巻絵書き
5．丸山沼の大蛇
6．ぶい塚の鉦
7．本村のお地蔵さん
8．大山の森
9．古寺の狸
伊奈町の伝説 9 『古寺の狸』
ある古寺に、1人の坊さんがひっそりと暮らしていました。
実入りが少なく貧しいお寺で、女房・子どもなどももちろんいるはずがなく、本当に寂しい暮らしでした。
この坊さんの楽しみといえば、夜になって囲炉裏の端で暖かい「すいとん」を作り、「フーフー」吹きながら食べることくらいだったのです。近所の人達までが「すいとん坊主」とあだ名を付けたほどでした。
この寺の近くに、つぶれ家が一軒あり、そこに狸が巣を作って住んでいました。
ある日、この狸がすいとん坊主のことを知り、ひとつからかってやろうと悪知恵をしぼった末、お寺の庭にスイーッと飛んでいって雨戸にトンと当たればスイトン（すいとん）になると考えつき、狸は毎晩スイーッと飛んでいき、トンとぶつかっていたのです。
初めは気づかなかった人の良いすいとんさんも、そのうちに「おれがすいとんばかり食べているので狸公めからかっているのだな」と悟り、思わず苦笑いをしたのです。しかし、あまりにそのいたずらが続くものですから、さすがのすいとんさんも「いつか狸をこらしめてやろう」と思案しました。
ある晩のこと、すいとんさんは心張棒を片手に持ち、雨戸にもたれながら根気強く狸が来るのを待っていました。しばらくすると、狸が風に乗ってスイーッと近づく気配がしたので、すいとんさんはころあいを見計らってサッと雨戸を開けました。
狸はトンと当たるはずの雨戸が無くなっていたので、はずみをくらってそのまま奥の座敷まで転がり込んでしまったのです。そこで、すいとんさんは力まかせに狸をぶちのめしたのです。狸は傷だらけになった頭を抱えて、命からがら逃げて行ったそうです。
すいとんさんにとって、その後は静かな毎日が続いたのですが、そのまま引っ込む狸ではありません。なんとか仕返しをしようとたくらむ毎日でした。
ある夜、すいとんさんが、いつものようにすいとんを食べようと囲炉裏に鍋をかけていると、何となく快い風に体をつつまれるような気がしました。ふと脇を見ると、かわいい小娘がチョコンと座り込んで、気持ち良さそうに囲炉裏にてをかざしているのです。さすがのすいとんさんもギョッとしましたが、悪い気はいたしません。かわいい小娘とふたりきりで囲炉裏にあたり、好物のすいとんの香りが辺りに漂っているのは、なんともいいようのない良い気分です。
しばらくして、なにげなしに娘の方を見たすいとんさんは、また、びっくりしたのです。きちんと揃えていたはずの着物の前がはだけ、膝が出ていたのです。いたずら好きのすいとんさんは行儀の悪い小娘に、火箸の先を焼いて股にそっと押し付けるまねをしてやろうと考えたのです。そして、チロチロ燃える火の中に火箸棒を突込んで何食わぬ顔で焼きはじめても、小娘は何も知らない様子で気持ちよさそうです。いよいよ箸が赤くなりはじめました。この時とばかりに、囲炉裏から抜き取り、娘の股に押し付けおうとしてそばを見ると、どうしたことか、小娘の姿は、煙のように消えていたのです。
さすがのすいとんさんも、ゾーッとしてしまい「あの狸公め、化けやがったな」とガタガタ震えながらつぶやいたそうです。
（出典：伊奈町公式サイト）
いよいよ最後の伝説です。
お坊さんと狸の壮絶なバトル！！
お話からすると、狸の勝ちと言ったところでしょうか？
それにしても、お坊さんの娘に対するいたずらに、少し恐怖を感じました。笑
このお話の舞台となる『古寺』
こちらも伊奈町役場の方に尋ねましたが、
この古寺に関しては場所も詳細もわからないとのことでした。
まぁ、そうですよね・・・。
伝説スポットがわからない・・・
せっかくここまで巡って来たのに、これでは旅に締まりがありません。
スポットの代わりに、伊奈町ですいとんを食べられるお店がないか調べてみました。
すると、、、ありました！！！
「すいとんがおいしい！」とレビューもまずまず。
しかし、この日は時間が合わなかったので、別の日に行ってみました。
何でも調べてみるものですね。
つくしんぼ
すいとんが食べられる『つくしんぼ』
カラオケも楽しめる定食屋さんのようです。
日曜・祝日が定休日とのことで、土曜日に伺いました。
・・・が、しかし。
お店は真っ暗、試しにドアを開いてみましたが、鍵が掛けられていました。
「営業時間内のはずなんだが・・・」
ドアの前で立ち尽くしていると、
「今日は休みみたいですよ。」
と、2階の別会社の方がわざわざ降りてきて教えてくださいました。
「土曜日はお客さんがまばらで、少ない日は閉めちゃうみたい。」
とおっしゃってました、、、なんとも気まぐれなお店です。
そんなワケで、すいとんは食べられず、、、。
結局締まらないまま旅を終えることになってしまいました。
その時はリベンジを誓っていたのですが、
今回ブログの記事にするまで、このことをすっかり忘れていましたね。
近々、リベンジ行ってきます。
旅の終わりに・・・
1年前にめぐった『伊奈町の伝説』
全9話のお話は、メルヘン（オカルト）チックなものから現実的なものまで、
振り幅広めでおもしろかったです。
「このお話は何を伝えたかったのだろう？？？」
正直、そう思ったものもありました。
が、舞台となった場所がハッキリしているところを見ると、
なにかしらの事件・事故・出来事があって、
それを御伽噺として残したのかなとも思います。
この伝説のおかげで、
今まで知らなかった伊奈町の歴史についても少し学べました。
伊奈氏の存在やその屋敷跡があることすら知りませんでしたからね。
地域に残る伝説は、なかなか興味深くおもしろいです。
また、このような伝説を探しては旅してみたいと思います。
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所在地：埼玉県北足立郡伊奈町大字小室3779-1
アクセス：ニューシャトル「丸山駅」より徒歩25分
営業時間：11:30～14:30（ランチ）、13:00～17:00（カラオケ）
定休日：日・祝
駐車場：有
伊奈町公式サイト：https://www.town.saitama-ina.lg.jp/
（※2019年5月12日付けの情報です。）
