【2019/05/12 ぶら旅コース】
伊奈氏屋敷跡 → 頭殿権現社 →(旧)丸山沼 → ぶい塚 → 建正寺 → 無線山・KDDIの森 → つくしんぼ【伊奈町の伝説】
1.足立ぬ
2.天狗のはやし
3.権現様の森の大蛇
4.龍巻絵書き
5.丸山沼の大蛇
6.ぶい塚の鉦
7.本村のお地蔵さん
8.大山の森
9.古寺の狸
伊奈町の伝説 6 『ぶい塚の鉦』
昔「ぶい塚(ぼい塚ともいわれた)」というのがありました。この地方では「おんぶ」することを「ぶう」と言っていましたが、このぶい塚は、老人をおぶい、捨てに行く塚と伝えられていたのです。
昔は、いくら働いても生活が苦しく、どんなにお腹がすいても食べることすら出来ないときがあったのです。このため「口べらし」といって、働けなくなって役に立たない老人は捨てられてしまったそうです。
捨てられた老人は鉦を持たされ、その鉦を鳴らしながら念仏を唱えるのだそうです。一方、里の人達は、鉦の音が絶えたとき、その老人が死んだと思ったということです。そうして、皆で手厚く埋葬し、供養をしたのだそうです。
(出典:伊奈町公式サイト)
今回ご紹介する伝説は、これまでとは違い、だいぶ現実味のあるお話です。
『口減らし』は昔本当にあった風習で、
家族の人数を間引くことで家計の負担を減らしていたそうです。
その対象は子供や老人。
子供を養子や奉公に出せたらラッキーな方で、
一般的には生まれてすぐ殺めたり、幼い娘を売ったり、働けない老人を捨てたりと、
残酷なものであったようです。
年老いた親を山に捨てる『姥捨て山』のお話は有名ですね。
私が暮らしている地域は山がないので、
姥捨て山(口減らし)は、どこか遠い一部の村に伝わる風習だと思っていました。
なので、伊奈町の伝説を読んで、衝撃が走りましたね。
こんな身近な場所でも行われていたなんて・・・。
ぶい塚の伝説は場所の記載がなかったので、伊奈町役場に問い合わせています。
すると、、、
「ぶい塚は現存しています。○○の信号を北上し、一つ目の交差点を・・・」
と、かなり詳細に教えてくださいました。
まさかの現存に、ゾッとしたことを覚えています。
ぶい塚
伊奈氏屋敷跡があった丸山駅から蓮田市方面に移動します。
県道3号さいたま栗橋線沿いに、ぶい塚はありました。
こちらが、老人を捨てた塚と言われる『ぶい塚』です。
木に覆われて見難いですが、
県道側はお墓になっていて、その奥が盛土状になっています。
伊奈町役場の方のお話によると、当時はお墓の部分も塚の一部だったとのこと。
周りを見てみましたが、特に案内板などないので、役場の方のお話が全てです。
当時は、人が入れるほどの空洞があったと思うのですが、
現在はどうなっているのでしょう???
近くまで寄ってみたかったのですが、
隣が会社の駐車場で入れなかったので、外から見るだけになってしまいました。
写真だけだとわかり難いと思うので、ストリートビューも貼っておきます。
周りは大きな道路と、飲食店や会社と見られる建物が並びます。
そこにポツンと残る、お墓と塚。
お墓に眠る方は、ぶい塚と関係があるのでしょうか???
* * *
『姥捨て山』の塚バージョンが伊奈町にあると知り驚きましたが、
その場所が私がよく使っている道沿いだということに更なる驚きです。
こんな場所があったなんて、まったく気づきませんでした。。。
普段何気なく通っている道や、不自然な空き地、
調べてみるといろいろな歴史が埋まっているかもしれませんね。
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