【2019/05/12 ぶら旅コース】
伊奈氏屋敷跡 → 頭殿権現社 →(旧)丸山沼 → ぶい塚 → 建正寺 → 無線山・KDDIの森 → つくしんぼ【伊奈町の伝説】
1.足立ぬ
2.天狗のはやし
3.権現様の森の大蛇
4.龍巻絵書き
5.丸山沼の大蛇
6.ぶい塚の鉦
7.本村のお地蔵さん
8.大山の森
9.古寺の狸
伊奈町の伝説 7 『本村のお地蔵さん』
昔は、信仰によって病気を治そうとする人が多かったようですが、本村には、イボを治してくれるという、有名な石のお地蔵さんがありました。
このお地蔵さんには、いつも大勢の参拝者がおとずれていました。イボで悩んでいた人が、願いがかなって治ると「大願成就」と書いた赤旗を奉納するのですが、それが何本も立っていたといいます。
そこは、お地蔵さんが独りぼっちで立っていただけですが、敷地は広く、子ども達のよい遊び場になっていました。
あるとき、女の子がお地蔵さんを拝んだだけでイボが治るわけはないといって、小便をかけてしまいました。ところが、2~3日過ぎると、その女の子の足がイボだらけとなり、気持ちが悪くて歩けなくなってしまったのです。女の子は、お地蔵さんのたたりと気付き、おわびをしながら、一生懸命お地蔵さんの体をきれいに洗いました。すると、あれほどたくさんできていたイボも、みるみる治ったそうです。
なお、このお地蔵さんは明治末の耕地整理によって建正寺に移されたのですが、今でも跡地は、「地蔵畑」と呼ばれています。
(出典:伊奈町公式サイト)
今回の伝説は、お地蔵様の祟りのお話です。
この伝説を読んで、ある言葉を思い出しました。
「悪いことをしたらバチが当たるよ!!」
私が子どもの頃、おばあちゃんによく言われていた言葉です。
その言葉には『バチ=何が起こるかわからない』という未知なる恐怖があり、
これを言われては反抗すらできませんでした。。。
今の子どもに通用するかはわかりませんが、当時の私には、
怒鳴ったり、お尻を叩いたりするよりも、効果的な叱り方だったかもしれません。
「お天道様が見てるよ!」
これも、お天道様の存在が謎過ぎて効きましたね。
話は伝説に戻ります。
「祟り」というと恐しいですが、、、
女の子が反省したことでイボを治してあげるところにお地蔵様の優しさを感じて、
個人的にはほっこりしたお話のように思えました。
だたひとつ。
女の子が小便をかけるなんて・・・そこが少し引っかかります。
男の子ならそんないたずらも有り得そうですけど。。。
そのお地蔵様は、現在も建正寺にいらっしゃるとのことで、
伊奈町公式サイトでは写真も掲載されています(写真はこちら)。
その写真を頼りにお地蔵様を探してみることにしました。
建正寺
■ 山門
住宅街の中にひっそりと佇む建正寺。
■ 本堂
曹洞宗
【御本尊】
薬師如来(やくしにょらい)
【御由緒】
建正寺は、古記録によると寿永年間(1182~1184年)岩崎将監が大字丸山に堂宇を建て、小室山建正寺と号し、以後400有余年臨済宗に属していたと伝えられる。その後、慶長年間(1596~1615年)伊奈備前守忠次が丸山に築城居館するにあたって現在の地に移り、龍興寺(群馬県館林市)第4世吉洲良朔和尚を招請して開山とし、曹洞宗に改め、龍興寺の末寺となる。
堂宇は、安永8年(1779年)に全焼し、天明6年(1786年)再建された。その後、草葺屋根を瓦葺にするなど改修が行われ昭和59年には大改修が行われている。
薬師堂は、天保15年(1844年)の建立で、昭和62年大改修が行われている。堂内には臨済宗当時の本尊薬師如来の鉄仏像(町指定文化財)を安置している。また、山門は嘉永7年(1854年)の建立である。
(出典:境内案内板)
檀家さんのためのお寺。
観光地となっているお寺とは違い、お墓参りの方が数名いる程度で、
とても静寂な雰囲気でした。
まずは御本尊様にご挨拶をして、本題のお地蔵様を探します。
本村のお地蔵様
墓地に入ってすぐのところに、お地蔵様はいらっしゃいました。
サイトの写真と見比べたところ、このお地蔵様で間違いなさそうです。
だいぶ風化していて、表情がわからない状態でした。
今の時代、「イボを治してください!」と拝みに来る人はさすがにいないでしょう。
もちろん、赤旗が奉納されていることもありませんでした。
当時は、参拝に来る人、遊ぶ子どもたちに囲まれていたことを想像すると、
現在は無縁墓に囲まれて、どことなく寂しげな印象でした。
せっかく謂われのあるお地蔵様なのに、、、
このような状態でただ立たせておくのはもったいない気がしました。。
案内板でも立ててあげたらどうかしら?
そうしたらまた、このお地蔵様の周りに人が集まってくるかもしれません。
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