伊奈氏屋敷跡 → 頭殿権現社 →(旧)丸山沼 → ぶい塚 → 建正寺 → 無線山・KDDIの森 → つくしんぼ
【伊奈町の伝説】
1.足立ぬ
2.天狗のはやし
3.権現様の森の大蛇
4.龍巻絵書き
5.丸山沼の大蛇
6.ぶい塚の鉦
7.本村のお地蔵さん
8.大山の森
9.古寺の狸
伊奈町の伝説 4・5 『龍巻絵書き』 『丸山沼の大蛇』
昔、一人の絵書きが、丸山沼の西側の畑を通りかかりました。
乾いた土がビュービュー吹く西風に飛ばされ、あたり一面は粉を敷いたようになってしまいました。それを見た絵書きは足を止め、持っていた杖で地面に龍の絵を書き始めたのです。
書き終わったちょうどその時、ひといわ強い風が吹いていきました。
その風は、龍の絵をかき消すと同時に、その土の粉をくるくると巻きながら龍巻のように空高く舞い上がっていったのです。
やがで、その土けむりはだんだん大きくなり、丸山沼の上空で渦を巻きながら沼の水を大きく吸い上げると、急に北に向って走り出しました。
そして、大雨を降らせながら荒れ狂い、大山の松ノ木などをねじり倒し、大被害をもたらしたのでした。
その後、この絵書きはどこへ姿を隠したものか、誰も行方は知りませんが、その時の龍は丸山沼の主になったのだろうといわれています。
(出典:伊奈町公式サイト)
小室村の、あるおじさんは、魚とりが大好きでした。
あるとき、おじさんは、いつものように、網と銛を持って丸山沼に船を浮かべ、魚をとっていました。
しかし、その日はどうしたことか、魚はサッパリとれません。あきらめてたばこを一服していると、向こうのまこもの茂みの中から、水を切って大蛇が泳いで来るではありませんか。
よせばよいのに、おじさんは、通り過ぎようとした大蛇の背中を、骨も砕けようとばかりに、舟竿で殴ったのです。
ところが、大蛇は死ぬどころか、その竿にぐるぐる巻き付いて、手元に向って来るではありませんか。
さすがのおじさんもびっくりしましたが、とっさに舟の中にあった草刈り鎌を取って、舟の中に半ば入りかけた大蛇の胴体を断ち切ろうとしました。
しかし、一度ではたたき切れず、大蛇は苦しみながらも舟の中に転がり込んでしまったのです。
二度目の鎌でやっと蛇の体は切れたのですが、大蛇は二つに切られてもまだ動いています。しかも、鎌は、力を入れすぎたあまり、先が舟底に突き刺さってしまい、すぐには抜けません。おまけに無理に抜こうとしたため、鎌の首が折れてしまったのです。
そこで、仕方なく舟の水かき道具で力まかせにたたきのめし、やっとグッタリした大蛇を沼に投げ込むことができたそうでs。
このおじさんは、体も大きいし力持ちということで小室村でも有名な人でしたが、この時ばかりはよほどてこずったらしく、「丸山沼には大きな蛇がいた」と、ギョロギョロした目で繰り返し繰り返し話をしたといいます。
(出典:伊奈町公式サイト)
丸山沼
前回に引き続き、伊奈氏屋敷跡内に鎮座する頭殿権現社よりお送りします。
今回の伝説の舞台は、丸山沼。
丸山沼について調べたのですが、現在は存在せず、場所の特定ができなかったため、
伊奈町役場へ問い合わせしました。
「現在の原市沼(上尾市)と呼ばれているところ、
伊奈氏屋敷跡の西側、頭殿権現から見える低地が丸山沼です。」
との返答をいただきました。
お話からすると丸山沼は、
頭殿権現社から撮った写真の辺りではないかと推測します。
新幹線の高架橋の先には、上尾市の原市沼があります。
伊奈町寄りの沼地であった場所は、完全に埋まっている状態でした。
それにしても、伊奈氏は龍・蛇と深い関わりがあるようですね。
もう少し調べてみると、忠次の子、忠治が築いた赤山城(川口市)にも、
龍神にまつわる伝説があることを知りました。
赤山城の池に現れた龍神は、伊奈氏により棲家を奪われたとお怒りの様子。
「汝の家に災いをなすであろう」
と恨みを募らせていたようです。
確かに、伊奈町の伝説でも、村人が痛い目にあっているお話が多いです。
もしかしたら、龍神の呪い!?
『頭殿権現社は龍神の怒りを鎮めるために建てられた』
なんて説も考えられそうです。
むりやり感も否めませんが、、、
赤山城の伝説によって伊奈町の伝説がいい具合にまとまった気がします。
赤山城も是非、行ってみたいですね。
* * *
丸山沼の一部だったとされる原市沼。
古代蓮が咲く美しい沼として、地元では有名なスポットです。
私はまだ行ったことがないので、花の時期にでも出かけてみようと思います。
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所在地:埼玉県北足立郡伊奈町大字小室189(頭殿権現社)
アクセス:ニューシャトル「丸山駅」より徒歩10分
駐車場:無
伊奈町公式サイト:https://www.town.saitama-ina.lg.jp/
(※2019年5月12日付けの情報です。)