山と神社
未だコロナが落ち着かずなかなか新しい旅に出かけられないので、
しばらく過去旅でも振り返ろうかなと思います。
今回は8月の祝日『山の日』にちなみ、山の中に鎮座する神社2社をご紹介します。
<登山を伴う神社の過去記事 ↓ ↓ ↓>
石割神社
1社目は、山梨県の石割山山中に鎮座する、石割神社です。
登山を趣味に持つ父が、富士山の写真を撮るため石割山に行くとのことで、
同行することにしました。
石割山山頂から眺める富士山が絶景らしいのです。
私も登山は好きな方ですが、行く決め手となったのは父のこの言葉。
「山の中にすごい神社があるよ」
感想を先に言ってしまうと・・・本当にすごい神社でした!!!
■ 鳥居・登山口
駐車場から小さな橋を渡るとすぐ、石割山の登山口になります。
この日は2015年11月、紅葉がとても美しい季節でした。
登山口には、朱色の立派な鳥居。
山に神様がいらっしゃるということは承知の上ですが、
やはり鳥居をくぐると余計に背筋がシャキッとするものです。
■ 狛犬
狛犬さんたちに見送られながら登山開始!!
行ってきま~す!
■ 参道
石割神社は石割山の8合目に位置しており、
まず最初に403段の階段を登らなくてはなりません。
403段・・・聞いただけでげんなりな段数ですが、
丸太か何かの階段かと思いきや石できれいに整備されていたので、
「これは有難い!!!」と意気揚々と登り始めました。
しかし、整備されていても山の道。
微妙な傾斜が結構きつく、先の方を見ると階段が壁に見えます。
始めこそ「1、2、3、、、」なんて数えながら登っていましたが、
50も過ぎた頃にはお尻がピキピキ・・・段数などどうでもよくなっていました。
登っても登っても、先が見えません。
同じような写真ばかりあげていますが、本当にいつまで経ってもこの景色なのです。
(こんな写真があと2~3枚ありました。)
紅葉?そんなもの見ている余裕などまったくなく、
普通の山道の方が楽かもしれません・・・。
息も絶え絶えなんとか階段を登り切ると、石割神社の案内板が出てきました。
ここからは、なだらかな山道に変わります。
まだしばらく歩くことになるのですが、階段に比べたら全然楽ちん!!
「落ち葉のじゅうたんだ~♪」なんて、
ここでやっと景色を楽しめるようになりました。
「あ!!神社だ!!!」と思ったら避難小屋だった、、
というフェイントを食らいつつ先に進みます。
だんだんと紙垂がかけられた岩を見かけるようになりました。
いよいよ神社も近いように感じられます。
おーっ!!!これは御神木ではありませんか???
山道を歩き続けること30~40分、ようやく石割神社に到着しました。
草木が生い茂った細い山道が突然開けたかと思うと、
そこには今まで見たことがないくらいの、幻想的な世界が広がっていました。
■ 境内
こちらが、石割神社です。
ひっそりと佇むお社と、どんと構えた大きな岩。
霧がかった姿が、古い水墨画を見ているかのようでした。
■ 狛犬
赤い目をした狛犬も雰囲気があります。
■ 拝殿
天手力男命(あめのたぢからおのみこと)
【御由緒】
この神社は、石割山の8合目に鎮座し、むかしから古事記にある『天の岩戸』伝説の地といわれている神域であります。
また、御神体の大岩が『石』の字に似て割れているので、石割神社の名が付いたともいわれ、切り立った大岩には、高さ約15メートル、幅約60センチメートル、長さ約15メートルほどの隙間があり、その間を3回通れば(時計回り)幸運が開けるといわれています。
この岩の割れ目から滴り落ちる湧水は、眼病・皮膚病などに効く薬水として伝承され、多くの崇敬者がそのご利益に浴しております。
(出典:境内案内板)
御祭神は、岩戸をこじあけ天照大御神を引き出した神様です。
■ 御神体
お社の隣に立つ大きな岩は、御神体としてお祀りされています。
この迫力!
この大岩からは、御祭神を表したかのような力強さを感じました。
刀でスパンと切ったかのような割れ目が入っています。
案内板には、この割れ目が『石』の字に似ていることが社名の由来とありました。
ということは、石割山に鎮座するから石割神社なのではなく、
石割神社をもとに石割山と名付けられた、ということなんですね。
それにしてもこの割れ目、『石』の文字に見えるでしょうか?
正直、私には石よりも『万』という字に見えます。
この大岩、中を通り抜けることができます。
「時計回りに3周すると幸運になれる」とのことで、
私もそのご利益を授かろうと3周してみました。
なかなか狭い入口です。
リュックを背負ったままだと、確実に引っ掛かります。
(出入口はスロープと手すりがあるので安全です。)
大岩の中はこのようになっていて、真横に突っ切っているといったイメージです。
ここもまた狭い。
中肉タイプの父が通って、このようなサイズ感です。
途中、真横にならないと通れなかった箇所もあったような記憶です。
突然ですが、ここでどうでもよすぎる話をひとつ。
この神社に到着した直後、父がスマホを落として完全に壊れてしまいました。
(画面バリバリ・画面真っ暗・電源入らない・・・)
肩を落とす父に「岩を回れば奇跡的に直るかもよ!」と声をかけたのですが、
この時父は、何を思って岩を回っていたのでしょう???
父の背中が、なんだか切ないです。。。
(ちなみに、スマホは当然ながら壊れたままでした。。)
壁の隙間からは、境内が見えました。
眼病に効くという湧水ですかね?
滴るほどではありませんでしたが、しっとりとした感覚は味わえました。
■ その他
石割山には天狗の伝説もあるのでしょうか?
お社には羽団扇が描かれた幕や、鉄下駄が奉納されていました。
「ゴミを捨てると事故・病気・ケガ等の罰をうけます」という、
恐怖心を煽る注意書きも、、、神様は見ています!
* * *
先があるので、このへんで神社を後にします。
石割神社、、、とても不思議な神社でした。
普段行っている街中の神社と比べると、まず音と空気が違います。
街や人の騒めきが一切なく、聞こえるのは風、葉が揺れる音、鳥の囀りのみ。
清々しさと恐怖が入り混じったような独特な空気が漂っていました。
神様・天狗・妖怪・・・何が出てきてもおかしくない!といった感じでしたね。
私はこの雰囲気、とても好きです。
気軽に来れないということもあってか、
この場を去ることがとても惜しい気持ちでいっぱいになりました。
石割山
■ 登山道
石割神社を参拝後は、石割山の山頂を目指します。
神社までは歩きやすい道でしたが、登るにつれてまたもや急斜面。
今度は木の根などに足をかけながら登って行きます。
倒木!!!
土がぬかるんでいたので、足が滑って登るのが大変でした。
■ 山頂
そして、山頂に到着!!
木の根を掴むのに両手がふさがっていたのであまり写真は撮れませんでしたが、
私はこのタイプの山道は好きな方なので、楽しいうちに登頂成功できました。
私のような登山初心者さんには、ちょうどいい山かもしれません。
さて、ここからが父にとっての本題です。
この山頂から富士山の写真を撮る目的で、ここまで登ってきました。
写真に収めたいほど美しい絶景。
いったいどんな景色が広がっているのでしょう。
写真はコチラ
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真っ白!!!!
ガスに包まれて、2m先を歩く人すら見えませんでした。
そりゃそうです。
行きの途中も、富士山どころか青空すら見てませんからね。
「多分、今日は無理だな。」と、父も早々に悟ってはいました・・・残念!!
そんなこんなで、すぐさま下山です。
石割神社を通り、あの長い階段まで戻ってきました。
登りも辛かったけど、下る方が足にきますね・・・。
下りは焦らず、紅葉を楽しみながらゆっくりゆっくり下りてきました。
下から見た富士・・山・・・?
ここまで隠れてくれた方が、逆に諦めもつきますね。。
スマホが壊れて、写真も撮れなかった父に幸あれ!!!
心からそう思った1日でした。
当の本人はネタにしているみたいですけど。
石割山からの富士山の眺めは、山中湖観光情報HPからどうぞ。
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