國府神社 → 国府台城跡/里見公園 → 国府台天満宮 → 飛地天満宮 → 亀井院 → 話飲茶屋 つぎはし
【コースMAP:国府台駅~国府台駅(※実際のルートと異なることがあります。)】
国府台天満宮
■ 入口
こちらの神社はちょっとしたご縁があり、時たま参拝に伺います。
■ 鳥居
普段は無人の神社なのですが、この日は戸が開けられ人が集まっていました。
社殿もお飾りされており、どうやら神社のお祭りのようでした。
「今年はコロナで子どもたちを呼べないの・・・」
と、神社で作業をしていらした方がおっしゃっていました。
いつもは近所の住人たちが集まり、小さな屋台を出すのだそうです。
■ 拝殿
菅原道真公(すがわらのみちざねこう)
【御由緒】
この天満宮は文明11年(1479年)、当地の鎮守として、太田道灌持資が建立したと伝えています。もと法皇塚の墳頂部に祀られていましたが、明治8年(1875年)大学校設立の用地として、周辺地域が買い上げられたとき農家と共に現在地に移されました。
この地域では古くから獅子舞・辻切りといった民族行事が行われてきました。「辻切り」とは人畜に危害を与える悪霊や悪疫が部落に侵入するのを防ぐため、部落の出入口にあたる四隅の辻を、霊力によって遮断してしまうことから起こった名称です。
遮断の方法には注連縄を作って道に張るとか、大蛇を作ってその呪力によって侵入してくる悪霊を追い払うというような方法がとられていますが、千葉県では南部の地方では注連縄を張る部落が多く、北部の地方では大蛇を作る部落が多かったようです。
市川市でも昔は国府台、国分にかけた地域で盛んに行われた行事でしたが、太平洋戦争後は世相の移り変わりとともに次第に廃れ、今では昔の姿を伝えているのは、この国府台の辻切りだけとなってしまいました。
辻切り行事は毎年1月17日、この天満宮境内で行われ、ワラで2メートルほどの大蛇を4体作り、御神酒を飲ませ魂入れをして、町の四隅にある樹に頭を外に向けて結び付けます。こうして大蛇は1年間風雨にさらされながら、町内安全のため目を光らせているのです。
獅子舞については、その継承者が各々の家の相続者に限られていたことと、社会情勢の変化等から、昭和13年を最後に継承が絶えてしまいました。
(出典:境内案内板)
太田道灌が現在の里見公園の地を陣取った翌年に建立されています。
もともと建っていた法皇塚古墳は、
里見公園のお隣、東京医科歯科大学構内に現存しているとのことです。
■ 境内社
右側の小さなお社が三峯神社、左側のひとつが白山神社かと思われます。
その他は、わかりません。。
■ 本殿&狛犬
お参りの際には、是非本殿を覗いてみてください。
2体の狛犬が本殿を守っています。
もしかすると、拝殿が建てられる以前の姿かもしれませんね。
辻切り
町の四隅に大蛇を置き、悪霊や悪疫を追い払うという行事『辻切り』
以前、この行事を見に行ったことがあったので、そちらもご紹介します。
神社に到着したのは、朝の9時頃だったでしょうか。
境内に入ると既にたくさんの人が集まっていました。
拝殿の前には人の群れ、近くの小学生たちが見学に来ていました。
TVの取材も入っています。
何をしているのだろうと、人の頭をかき分け覗いてみると、、、
男性数名がワラで何かを編んでいました。
とてもリズミカルな手さばきで、どんどん輪郭が形作られていきます。
熟練の技とでも言うのでしょうか。
「市川市には田んぼが無いからワラは隣町から譲ってもらってるんだよ。」
「継承者がいないから困ってるんだよ、、」
年配の方は行事の説明をしながらも、テキパキと編んでいきます。
手前の若い方はまだ作り始めて間もないようで、
「あー」とか「うー」とか言いながら何とか編んでいるといった様子でした。
作業場の後ろには、目玉のようなものが並んでいました。
これはきっと、、、アレで間違いないですね。
ワラを編み続けること30分、できあがったのは大蛇のお顔でした。
2メートルもの大蛇なので、人の顔より大きいです。
これを30分程度で編んでしまう手際の良さに、思わず見入ってしまいました。
ちなみに、耳はビワの葉っぱ。
そして、目玉の中には去年の大蛇を燃やした灰が入っているそうです。
顔作りに目を奪われている間に、体も編みあがってしまいました。
体は木に吊るしながら、1体を数人がかりで編んでいました。
あっという間に、4体の大蛇が完成。
「これで本当に悪霊が追っ払えるんだろうか???」
そう心配になるほどかわいいお顔をした大蛇。
私の隣で見ていたおばさまも「こんなんじゃ、誰も怖がらないよ!!」と。
多分、そこにいた皆が思っていたと思います、、笑
大蛇に御神酒を飲ませ魂入れ。
これでワラの大蛇が、町の門番となりました。
そして、いよいよ出動です。
4体の大蛇はそれぞれの持ち場へ運ばれます。
1号は、住宅街の木の上に。
2号は、里見公園内に。
3号は里見公園入口付近の庭先に。
このお宅がある道は、これまで何度も通っていたのですが・・・
まさか大蛇がいたなんて、この日まで気づきませんでした!
最後の4号は場所を忘れてしまいましたが(写真もない)、、、
こうして4体の新任大蛇の着任を見届け、辻切りの行事は無事終了しました。
任務を終えた先代大蛇はご覧の通り。
目玉も失い、満身創痍な状態です・・・1年間お疲れさまでした。
神社へ戻ると、古い大蛇が燃やされていました。
この灰は来年、目玉となって再び町を守ることになります。
それまでしばしの休憩。
炎が天に帰る大蛇のように見えました。
* * *
誕生に立ち会ったせいか国府台訪問の際にこの大蛇を見かけると、
「守ってくれてありがとう」と大蛇への感謝の念が強まるのですが、
私の家(埼玉)はもちろん、祖父母・親戚の家もこの地区ではないので、
身内の誰一人としてこの大蛇たちに守られていません。
調べてみると、大蛇で結界を張るというのは国府台に限られたことではなく、
いろいろな地域で行われている行事のようです。
私が暮らす埼玉県蓮田市にも、辻切りとまったく同じような行事がありました。
それも、私が暮らす地域は守られていないのですが・・・。
今度、蓮田の大蛇探しにも行ってみたいと思います。
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